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= まぶい分析学 Mabui Analysis =

「まぶい」とは琉球語で「たましい」という意味です。琉球語は古代大和語と深い関連があることが分っています。したがって、琉球語で語られる精神世界は、古代大和から連綿と続く日本人の精神世界を表し、いわば、日本人の心の源流であると考えられます。このような日本文化と西洋諸心理学を融合、体系化することが出来、これを「まぶい分析学」と呼んでいます。まぶい分析学の命名は、姫路獨協大・實川幹朗教授によります。記して感謝。 まぶい分析学と精神分析や分析心理などの他の心理学との違いは、分析と同時に治療法が提示されること、家族療法として主婦が修得すると家族成員に対しても効果を発揮することです。なお、http://matayan.ti-da.net/ にミラーサイトを準備しています。  
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甘えについて・・・間違った解釈(1)に引き続き、今度は、次のサイトの「甘え」についての見解を検討してみよう。

土居健郎の『甘え理論』(Amae theory)と甘えの病理としての社会不安障害

というエッセイである。心理学関連の専門用語の解説を行っているブログのようだ。赤字が問題と思われる部分である

(引用ここから)

土居健郎の『甘え理論』(Amae theory)と甘えの病理としての社会不安障害


乳幼児期の精神発達過程では、母親と赤ちゃんが自他未分離な一体感に包まれた『未分化期(正常な自閉期・正常な共生期)』を経て、3歳頃までにゆっくりと母親から心理的離乳を遂げていく。乳幼児は母親と密接にくっついて『アタッチメント(愛着)』を形成し、心理的な安心感や依存心の充足を得ている。この母子密着のアタッチメント(愛着)や一方的依存心を少しずつ弱めていく過程が『分離・個体化期(5-36ヶ月頃)』と呼ばれる時期に当たる。

心理的離乳を三歳ころまでに遂げる、という考え方がおかしいのではないか?
どう証明されたのだろうか?母子密着とか、一方的依存心を弱めて、
ということも、実はよく判らない。依存の内容が変化することは理解できる(例えば、
ご飯は自分で食べようとする、といったように)が、依存心が弱まっているとは
考えにくい。大体、その強弱などはどのように測定されるのか?

分離・個体化期の発達課題とは、『母親と離れている感覚を一定時間以上持続できる能力(心理的離乳)の獲得』で あるといえる。甘えの心理が強い人の場合には、この分離の事実を受け容れることが出来ず、母親との分離に伴う孤独感や不安感を退行をはじめとする様々な自 我防衛機制を使って止揚(アウフヘーベン)しようとするのである。即ち、甘えの人格構造を持つ人は、分離の不安や苦痛を回避するために、分離以外の甘えや 依存によって問題を解決し、外見上の心理的自立を装う傾向が見られるということである。

甘えの心理が強いい人、ということは、甘えたいのに甘えさせてもらえないから
そうなるのであって、したがって既に親によって強制的に分離させされて
しまっている状態なのである。だから、その記述はおかしいのである。

無意識領域のエス(原始的本能)の力動を起源とする『甘えの心理』は、詰まるところ、『母親との幻想的な一体感』に基づく安心感や信頼感を延々と保持し続けて、他人に依存的な欲求を満たしてもらおうとする心理だといえる。甘えの心理構造を持つ人物の特徴として、『自 立心・主体性・責任感が相対的に低い』『他者に人生の責任や選択を依存して委ねようとする』『自分の感情を孤独な状況でコントロールできず、困難を一人で 解決できない』『相手の反応一つで“僻む・拗ねる・いじける・恨む・こだわる・嫉妬する”といったアンビバレンツな葛藤状態に陥る』というものがある。

甘えの心理構造を持つ人という表現は過渡に甘える人という意味だと思うが、
甘えたくても甘えられない状況にあれば、それが基本的欲求に基づく甘えであれば、
そうなって当たり前であり、それが正常である証拠といえるものだ。
甘えたくても甘えられなければ、拗ねる、僻む、恨む、不貞腐れる、自棄糞になるというのは
当然の反応であって、アンビバレンツな葛藤状態ではないだろう。

甘えの心理の究極的な問題点は、『自分の依存的欲求や一方的依頼が満たされないと、“憎悪・嫉妬・敵意・いじけ”といった攻撃的な反応を示すところ』にあり、この甘えが過剰になると依存性人格障害などのパーソナリティの過度の歪曲の問題が起こってくる恐れがある。日本の文化結合症候群とされる社会不安障害(SAD:対人恐怖症)も、甘えの病理としての側面を指摘することができる。

甘えが満たされないと、それが基本的欲求に基づく甘えであれば、
攻撃的になっても当たり前である。それは問題ではない。たとえば、究極の
飢餓状態になれば、仲間を食ってしまうことをありえるだろう。それを異常反応と
言うことは出来まい。甘えが過剰になると依存性人格障害・・・は間違っている。というか
同義反復であり意味がない。甘えることが出来なかったから、がむしゃらに求めようとする
のが人間であり、その姿が通常とは異なった行動に見えても当たり前である。

つまり、『甘えの許される親密な家族的人間関係』の外部にある『甘えの許されない自立的な社会的人間関係』に 上手く適応できない時に発症リスクが高くなると考えることが出来るのである。とはいえ、現代の精神医学や臨床心理学では、神経伝達物質のバランスなど生物 学的原因や社会環境要因、生育歴の親子関係・学校生活などを無視して、社会不安障害の病態を考えることが出来ないということもまた事実である。

甘えの許される関係の中で甘えさせてもらえないから、甘えることは普通でない社会的
人間関係の中で甘えてしまうのである。文章が既に問題含みだろう。現代の精神医学が
無力なのは、したがって当然でもある。

他者の愛情・保護・支援を受けたいという『甘えの心理』そのものは、無意識領域のエス・イドの 原始的欲求に起源があると仮説されていて、人類全般に普遍的なものであると考えられている。恋愛関係・夫婦関係・親子関係から全ての甘えの心理を取り除い てしまえば、そこに残るのは殺伐とした利害関係やビジネスライクなやり取りだけになってしまうであろう。

相互的に寛容に助け合える『甘えの心理が許される時間・空間』と独立した個人として社会的役割を果たす『甘えの心理が許されない時間・空間』の適切なバランスをとることが重要であり、『精神の健康性と安定性』を損耗しないような対人関係とライフスタイルを工夫していくことが求められている。

そんなバランスをとるように行動することは難しいといえる。問題は、甘えが許される中で
甘えさせてもらえず、したがって甘えさせてもらえない中で甘えるという行動をとるの
だから、基本は、その人がバランスをとる、なんてことを考えるのではなく、余計な
場面で甘えなくても済むように、良い家族関係(甘えさせてもらえる)を親の側で
子に提供する必要があるということだ。

(引用ここまで)
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▼ 甘えについて

はじめまして。☆のぶこ☆と申します。
ご縁あって「まぶい分析学講義」第1巻、第2巻を拝読させていただきました。
学生時代、心理学、精神医学の講義で理解できなかった内容が、
これらの本を読んでようやく納得することができました。
私は癒し系サロンと言う形でご相談を受けることがあるのですが、
「甘え」に関してはほとんどの方が勘違いなさっているように感じます。
「甘え」が満たされているかどうかは、甘える側(子)の判断であって、
甘えを与える側(親)の判断ではないと私は考えています。
そしてご相談を受ける多くの方は、甘えを与える側(親)が十分与えたと思っており、
甘える側(子)は甘えが満たされていないと感じているケースが多いと感じています。
しかし、大人たちは子供がおかしいと感じているのが現実です。
私は大人が満足しているのがおかしいと感じているのですが、
ご教授いただけたら幸いです。
54977c2bad ☆のぶこ☆ || URL || 2008年 04月 02日 水曜日 || 編集
▽ Re:甘えについて
>はじめまして。☆のぶこ☆と申します。

御来訪有り難うございます(^0^)/

>ご縁あって「まぶい分析学講義」第1巻、第2巻を拝読させていただきました。

おお、それはそれは!第三巻、第四巻(近刊)もよろしくお願いします(^^;

>学生時代、心理学、精神医学の講義で理解できなかった内容が、
>これらの本を読んでようやく納得することができました。

うれしいお話(^0^)

>私は癒し系サロンと言う形でご相談を受けることがあるのですが、
>「甘え」に関してはほとんどの方が勘違いなさっているように感じます。

ええ、その通りだと思います。

>「甘え」が満たされているかどうかは、甘える側(子)の判断であって、
>甘えを与える側(親)の判断ではないと私は考えています。

ええ(^^;

>そしてご相談を受ける多くの方は、甘えを与える側(親)が十分与えたと思っており、
>甘える側(子)は甘えが満たされていないと感じているケースが多いと感じています。

ええ(^^;

>しかし、大人たちは子供がおかしいと感じているのが現実です。

ええ、そうですね

>私は大人が満足しているのがおかしいと感じているのですが、
>ご教授いただけたら幸いです。

自分はその程度で満足してきた、という自負があるからではないでしょうか?結局、自分がされたことしかできないという(何も対策を講じなければ)、チヂウリの原則が働くかと思います。
Dr.MataYan || 2008年 04月 02日 水曜日

▼ ありがとうございました

なるほど自分はその程度で満足してきたということですね。
お子さん方は満足でないということを理解していただくためにも継降の原則を説明できるようにがんばります。
ありがとうございました。
54977c2bad ☆のぶこ☆ || URL || 2008年 04月 03日 木曜日 || 編集
▽ Re:ありがとうございました
どういたしまして。

しかし、チヂウリの考え方を早く当たり前のものにしたいですね(^0^)
Dr.MataYan || 2008年 04月 03日 木曜日
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Dr.MataYan
年齢:
76
性別:
男性
誕生日:
1947/08/09
職業:
日本文化の心理学と家族療法研究会主宰
自己紹介:
◎工学士(静岡大学、電気工学、昭和45年)
◎医学博士(東京大学、医用生体工学、昭和55年)
◎荻野恒一慶応大学客員教授に文化精神医学・精神分析を師事・共著:沖縄のシャーマニズム(祖先崇拝)に見る家族療法の機能、理想、628号。
◎臨床心理士(平成2年登録、なお、この肩書きを維持することへの疑問を感じたので、平成7年には再登録を停止した)

〒904-8799
沖縄郵便局私書箱第205号
日本文化の心理学と家族療法研究会
電話 090-1940-0525
電子メール postmasterに@を続けてその後にmatayan.comと書く

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