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= まぶい分析学 Mabui Analysis =

「まぶい」とは琉球語で「たましい」という意味です。琉球語は古代大和語と深い関連があることが分っています。したがって、琉球語で語られる精神世界は、古代大和から連綿と続く日本人の精神世界を表し、いわば、日本人の心の源流であると考えられます。このような日本文化と西洋諸心理学を融合、体系化することが出来、これを「まぶい分析学」と呼んでいます。まぶい分析学の命名は、姫路獨協大・實川幹朗教授によります。記して感謝。 まぶい分析学と精神分析や分析心理などの他の心理学との違いは、分析と同時に治療法が提示されること、家族療法として主婦が修得すると家族成員に対しても効果を発揮することです。なお、http://matayan.ti-da.net/ にミラーサイトを準備しています。  
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早いもので、もう平成二十一年(二〇〇九年)となった。僕は昭和二十二年(一九四七年)の生まれだから、もう六二年が経過したことになる。六二歳というと、一二年毎の厄年(沖縄語では生まれ年、あるいは当たり年という)に加え、入り厄、本厄(六〇歳)、晴厄から開放されて、いわゆる運気が高まる時期とされている。それが本当かどうかについては、機会があれば詳述することにしよう。しかし、実感としては、確かにそのとおりである。


 このたび、本誌の矢野弾社長より、本誌への投稿子として採用していただくことになったのもそのひとつだろう。実は、その「厄」の期間中にも投稿の機会は得られたのだが、原稿は前もって提出していても、掲載は不定期であり、いつの間にか僕の意欲も失せてしまい、途中で途切れてしまった。新しい分野の研究者としては、このような場が得られることは大変にありがたいことなのだ。なぜなら、「新しい分野」というものは、なかなかそのような場を得ることが、特に日本では難しいからだ。学会誌論文を投稿すれば、本学会の範疇に入らないといった理由で断られ、その他色々あったのだ。

 何が新しいか。四半世紀前の僕の主張は、日本における心理学・精神医学は、日本文化に基づいたものが必要で、西洋から直輸入の理論と実践法では、適用は無理ではないのか、ということであった。そのときは、琉球文化の精神分析第一巻と第二巻(現在は、まぶい分析学講義第一巻・まぶい(霊)とユタの世界、第二巻・祖先からの知らせと御願、印刷工房・東洋企画刊、二〇〇八年一月に引継ぎ)にまとめたものだった。今では理解者も現れ、實川幹朗編著、心理療法とスピリチュアルな癒し-霊的治療文化再考-、春秋社、二〇〇七年を共著させて頂けるほどになった。

 最近の僕の主張は、まぶい分析学講義第三巻(上)、皇位・トートーメー継承の理論と実際(女性優位・男系原理と男女平等)、印刷工房・東洋企画刊、二〇〇八年九月に示した。それは、現在の世の中は西洋のフェミニズムに基づいて、虐げられた女を救い、男女平等を実現しよう、といった動きでいっぱいであるが、日本文化に基づいた人間関係もあるはずで、それは子々孫々の繁栄と和合の実現を目的とする女性優位・男系原理であり、皇位継承やトートーメー継承に残っているというものだ。男女平等というパラダイムに「甘え」という日本文化独特(かどうかは実は知らない(笑))の次元のことを追加すると、女性優位・男系原理というパラダイムになるということがわかったのだ。興味ある方は同書を参考にして欲しい。

 このように、なぜかは知らないが、僕の関心は結果的に、現行の世の中の状態に対抗するようなことばかりになってしまった。やれやれ・・・というところなのだ。

 西欧で名を成すことに成功すれば、日本にはたやすく受容される傾向がある。また、日本本土で受容されれば、沖縄、僕の居住地域であるが、でも容易に受容される傾向にある。そんな傾向があることは良く知られていると思う。逆の場合には、まあ、普通は不可能なのではないだろうか? 精神分析学の始祖であるシグムント・フロイトは、アメリカなど海外では早くから認められたけれども、彼の本拠地では七〇歳になってはじめて認められた、ということがある。生きている間に認められただけでも、幸運だったんだよ、という人もいる。

 さて、僕が言う「新しい分野」というのは何か? 心の科学(心理、精神医学など)は、大部分が欧米から輸入された実践法であり、理論である。心理学科で学ぶ理論の中に、日本人は出てくるだろうか? かろうじて内観療法、森田療法といったものについてのみ出てくるのではないだろうか。あ、いや、忘れてはいけないことがある。それは「甘え」の理論で有名な土居健郎である。それ以外はもう西欧人のオンパレードであると断言しても過言でない。

 心理学という分野の成果は、欧米で開発されたものを、物理学や工業技術などの分野の成果と同様に、日本に輸入して使用していいのだろうか。それは否!と言って良いだろう。では、西欧と日本の文化は、どのように異なるのか?

 西欧、北米での三年弱の生活体験、在日米軍基地内にある米国の大学(五校あり、そのうちのメリーランド大学)での約五年間の研究と教育経験からすると、それは「甘え」に対する考え方が正反対であるということだろう。欧米では「甘え」は人間には不要なもの、日本では「甘え」は大切なもの(「甘やかし」はよくないが)とする。特に子育てにおいてはそうだ。正反対なのであるから、基本的には、役に立つどころか危ういものであると言えるかも知れないのだ。

 そんなことを考えながら、いろいろな社会事情や問題を考察できる心理学、問題解決を提示できる心理学、専門家のみならず人間ならば一般常識として持つことが望ましい心理学、そんな役に立つ心理学を考えよう。
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まぶい分析学の研究・支援・雑談などを目的としています。関心ある方はお気軽にご参加下さい。誰でも自由に参加、退会ができます。参加費は無料です。

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プロフィール

HN:
Dr.MataYan
年齢:
76
性別:
男性
誕生日:
1947/08/09
職業:
日本文化の心理学と家族療法研究会主宰
自己紹介:
◎工学士(静岡大学、電気工学、昭和45年)
◎医学博士(東京大学、医用生体工学、昭和55年)
◎荻野恒一慶応大学客員教授に文化精神医学・精神分析を師事・共著:沖縄のシャーマニズム(祖先崇拝)に見る家族療法の機能、理想、628号。
◎臨床心理士(平成2年登録、なお、この肩書きを維持することへの疑問を感じたので、平成7年には再登録を停止した)

〒904-8799
沖縄郵便局私書箱第205号
日本文化の心理学と家族療法研究会
電話 090-1940-0525
電子メール postmasterに@を続けてその後にmatayan.comと書く

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