その内容は、従来では、WHOの憲章前文で『健康』は、
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity(完全な肉体的、精神的および社会的福祉の状態であり、単に疾病または病弱の存在しないことではない)
と定義されていた。それが、
Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity(完全な肉体的、精神的、Spiritual及び社会的福祉のDynamicな状態であり、単に疾病または病弱の存在しないことではな い)
となったのである(注1)。日本語訳の際に、Spiritual及びDynamicがそのままになっているところが面白い。なかなか適切な日本語が見つからないのであろうけれども、しかし、英語では、何故にこうも簡単なのであろうか。
日本(沖縄)文化的には、上記のことは『医者半分、ユタ半分』ということに相当するのではないだろうか。このことが意味するのは、第三者的に観察する立場 での肉体的、精神的及び社会福祉的な状態だけではなく、個人の内面にまで踏み込んで『健康』というものを考えようということなのである。きわめて面白いの は、現在、世界的に討議されていることが伝統文化的にはすでになされていたということである。
(注1)棚次正和:WHO憲章『健康』定義問題とスピリチュアルペイン-宗教と医療の関係、宗教倫理学会第五回研究会、July 23, 2004、キャンパスプラザ京都。
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