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= まぶい分析学 Mabui Analysis =

「まぶい」とは琉球語で「たましい」という意味です。琉球語は古代大和語と深い関連があることが分っています。したがって、琉球語で語られる精神世界は、古代大和から連綿と続く日本人の精神世界を表し、いわば、日本人の心の源流であると考えられます。このような日本文化と西洋諸心理学を融合、体系化することが出来、これを「まぶい分析学」と呼んでいます。まぶい分析学の命名は、姫路獨協大・實川幹朗教授によります。記して感謝。 まぶい分析学と精神分析や分析心理などの他の心理学との違いは、分析と同時に治療法が提示されること、家族療法として主婦が修得すると家族成員に対しても効果を発揮することです。なお、http://matayan.ti-da.net/ にミラーサイトを準備しています。  
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日本文化の心理学と家族療法において、「日本文化」とはアニミズム・シャマニズム文化のことを言っている。この文化はいかにも過去の遺物のように感じられるかもしれないが、実はそうでない。現代に日常的に通用している琉球(沖縄)語が、実に興味深いことに、大和古語つまり平安時代の言葉の名残を色濃く残しているというのである。これは柳田國男の言う文化辺縁説の傍証ともなるものだろう。現代の沖縄語で語られる精神世界、これは「祖先祭祀」の生活習慣が中心であるが、を知ることは、日本人の心の源流に触れるものであるのではなかろうかということだ。

以下の記事は、現代沖縄語と古代大和語との関連を示す、簡潔にまとめられたよいものではないかと思われる(一部賛成できない点もあるにはあるが)。鹿児島県出身の川崎氏が琉球新報紙上に投稿されたものであるが、ここに紹介しておきたい。


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沖縄の言葉

私が三年前に赴任したときに、沖縄アクセントが出身地鹿児島のカライモ弁に似て、妙に懐かしかったことを覚えている。

そんなことで何かしら沖縄の言葉(以下、うちなーぐち)には親しみを感じ、色々と調べてみるとますます面白くなってきた。まずは、うちなーぐちは大和古語の特徴を多く残し、独特の味わいをもつことに驚く。

大和古語を色濃く残している言葉としては、おおきい→うふし(おほしの変化)、美しい→ちゅらし(清らしの変化)、美人→ちゅらかーぎー(かーぎーは影=容貌)、頭→ちぶる(つぶりの変化)、女房→とぅじ(刀自)、娘→みやらび(女童)、かわいい→かなさん(かなし+あり)、答える→いれーゆん(いらふの変化)、早朝→ひてぃみてぃ(つとめて・・・枕草子の「冬はつとめて」)等枚挙に困らず、平安朝に戻ったようで嬉しくなる。

さて、うちなーぐちを理解するには沖縄方言則の要所「①あいうの原則え段→い段、お段→う段に変化、②き→ち変化」を覚えればいくらか楽になる。

先の語群もそうだが、身近な例をあげれば、「肝 きも→ちむ、心 こころ→くくる、衣 ころも→くるむ、黄金 こがね→くがに、風→かじ、水→みじ」などがある。他に地域的な型として「か行→は行、は行→ぱかふぁ行、ぎ→じ」などの変化がある。面白いことに大和古語では、は行はすべてふぁ行で発音していたから、本当北部のぱ行変化は由緒正しい訛りである。

特に重要なのは「き→ち変化」であり、肝ことばに重要語が多い。また、有名な「イチャリバチョーデー」は行き会えば兄弟の変化であることなどすぐにわかる。さらに、ちゅらはきよらの変化であり、大和古語では清らしは内面の美しさも加味した最高の褒め言葉である。よって、巷の表記も美らさから清らさにすべきであり、「羊が大きいよりも水が青いほうがちゅらさん」。

なお、有名なうちなーぐちにユイマール(相互扶助)があるが、「結マール」という当て字は解せない。伊波普猷の「古琉球」を読むと、その語源は、「大和古語の雇人(ゆひ)+回る」であり、ユイマールとは農繁期に互いに雇いまわったことから来ている。自由市場経済化の現在、この原義のほうがよっぽど美しい。

上記の方言則に慣れた上で、うちなーぐちの会話には感嘆し、前置き、冗談言葉などが多いため、これら本題に関係ない部分を区別できれば、会話体の理解も近いと思う。

東西南北の「アガリ、イリ、フェ―、ニシ」も面白い。アガリ、イリは日の出入りを示し、フェ―は大和古語の南風(はえ)を語源とするまでは皆さんご存知であるが、ニシだけは知られていない。風土工学調査によると「ニシは古(イニシ)であり先祖の方角(沖縄では北、本土では西)を示す」と「ニシは冬季に吹く風の方向であり、東北~西の風を奄美でマニシ、沖縄でミーニシという様に、九州から南下するにつれて西から北へニシ風の方向が変わる」の二説が有力である。古(イニシ)説は本土のニシと沖縄のニシの相似性を考えると感動的である。

大正期の古い話だが、「沖縄地名考」で有名な宮城真治が当時クンチャンと呼ばれていた国頭村に対して、「クンチャンは明治以降の訛りでありもともとの読みであるクニカミに正すべきだ」と意見して誇り高い今の読みに戻ったというのは乱れた言葉を正した良い実例である。国頭の有名な民謡クンジャンさばくいは旧称の名残である。

民謡で話は飛ぶが、先日民謡教室の練習風景に立ち会い、主婦層大半の生徒の皆さんが本当に気持ちよく三線を弾いて歌っていて素朴な民謡の心地よさに聴きしれた。やはり沖縄民謡はカラオケではなく三線で歌うべきであり、うちなーぐちの心の理解はそこから始まるのだと思う。昔から若い女性を褒めることは地域を褒めることであり、若い女性も民謡教室へ行き地域文化を高めるべきである。ついでによくある方言笑い話で、若い女性職員が本土から来た上司に終業時に「帰りましょうね(帰りますの意)」というものだから一緒に帰ってくれるのかと誤解するのは止めましょうね。

以上、うちなーぐちについて述べたが、我々ものつくりに勤しむものにとって言葉を含む風土資産は重要であり、「地域の財産としての公共事業」につまがるものである。

最後に、私がうちなーぐち最高の言葉と思う「チムウラーキユン(肝が潤う)」を用いての駄琉歌、「風土の誇りに ちむうらーきゆん 沖縄言葉の面白さよ」。
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Dr.MataYan
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誕生日:
1947/08/09
職業:
日本文化の心理学と家族療法研究会主宰
自己紹介:
◎工学士(静岡大学、電気工学、昭和45年)
◎医学博士(東京大学、医用生体工学、昭和55年)
◎荻野恒一慶応大学客員教授に文化精神医学・精神分析を師事・共著:沖縄のシャーマニズム(祖先崇拝)に見る家族療法の機能、理想、628号。
◎臨床心理士(平成2年登録、なお、この肩書きを維持することへの疑問を感じたので、平成7年には再登録を停止した)

〒904-8799
沖縄郵便局私書箱第205号
日本文化の心理学と家族療法研究会
電話 090-1940-0525
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