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= まぶい分析学 Mabui Analysis =

「まぶい」とは琉球語で「たましい」という意味です。琉球語は古代大和語と深い関連があることが分っています。したがって、琉球語で語られる精神世界は、古代大和から連綿と続く日本人の精神世界を表し、いわば、日本人の心の源流であると考えられます。このような日本文化と西洋諸心理学を融合、体系化することが出来、これを「まぶい分析学」と呼んでいます。まぶい分析学の命名は、姫路獨協大・實川幹朗教授によります。記して感謝。 まぶい分析学と精神分析や分析心理などの他の心理学との違いは、分析と同時に治療法が提示されること、家族療法として主婦が修得すると家族成員に対しても効果を発揮することです。なお、http://matayan.ti-da.net/ にミラーサイトを準備しています。  
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日本心理臨床学会平成16年9月10日・於東京国際大学・旧ブログより転載
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1.目的
わが国の心理理論・療法は西洋思想・文化に基づくものが主である。しかし日本人には日本文化・思想(アニミズム・シャマニズムに基づく祖先崇拝)に基づく理論・療法が提供されて当然である。この点につき、日本文化に基づいて西洋諸理論を拡張、体系化する試みを行い、日常生活に溶け込んでいる祖先祭祀の儀礼も問題解決に効果があることを、特に心理的諸問題発生の根源と考えられる夫婦間家庭内暴力(夫婦喧嘩)について検討した結果を報告する。


2.事例の概要
夫婦・親子間の家庭内暴力、夫のアルコール依存症、夫の浮気、子供の不登校、子供が学校を卒業はしたものの勤労意欲がないなど、種々の心理的問題に共通して見られるのが夫婦喧嘩(冷戦状態も含む)が絶えないことである。このような家庭内の問題を抱えた人たちが相談にくる場合、その99%が妻・主婦・母親の立場にある女性である。この女性達が訴えるのは「こんな問題があるとき、どうすればよいのか?」ということへの解答を求めるのがほとんどである。したがって「共感・傾聴」を基本とするいわゆるカウンセリングでは効果が無い。問題の解決法を求める女性達のための講座を開設し、方法論を提供している 。

講座に参加することで解決に至った典型的な事例は次のようである。(1)夫婦喧嘩(家庭内暴力):夫(58歳)は、ある市の重要な役職にあり、親族も含めて対外的には非常に温厚で「仏様」とも呼ばれていたが、家庭内においてはいつも妻(53歳)をなじり、妻からは「鬼」と呼ばれていた。このような状態を子供が独立するまではと我慢していた妻が、全ての子供の独立を機に妻が相談に訪れた。(2)結婚してして12年目の、子供が三人いる夫婦(夫38歳、妻 36歳、子供長男10歳、長女7歳、次男2歳)。夫の浮気が発覚してから夫婦喧嘩が始まり、妻が三ヵ月後に相談に訪れた。いずれの場合も、毎週1回の講義の合間に個人面接を3度組み込むことで、事態は沈静化し、講座が終了する頃には、「お互いの心理状態が分かると喧嘩にはなりませんね」となり、問題は解決した。 

3.面接・治療過程
講義形式をとっているので、集団面接という形になる。毎週一回3~4ヶ月の期間であるが、この間に大半は問題が解決する。このことから人間の性質が理解されていないことに原因がある と言える。以下に述べるのは面接(講義)において指導する内容の概略である。

3-1夫婦喧嘩(事例1) 夫婦喧嘩が激しいカップルにとことん喧嘩をさせると、その喧嘩となった原因が次第に過去を遡るという特徴がある。結局は、生育する中で充足されなかった欲求を配偶者に求める、しかし、配偶者が互いにそれができない、ということがある。このことを配偶者の親に告げると、親達がまた喧嘩をすることがあり、その原因がまた過去を遡り、同様のこととなる。沖縄県では、長寿であり居住地域が狭いという条件があるので、これを三世代にわたって確認することができた事例がある。これを古代大和語の名残を強く残す沖縄の祖先崇拝文化ではチヂウリと言う(又吉他(1))。ボーエンの多世代伝承過程、ソンディの遺伝趨勢と酷似した概念である。いうなれば先祖代々から続いていた因縁なのである。民間伝承に言う次のようなことを行うと、夫婦喧嘩が治まることが多い。
 この夫婦は喧嘩を行う運命にあるのだから、我慢することなく正しく喧嘩を行う必要がある。正しい喧嘩とは、御先祖様にこれから行うことの仔細を報告し、「正しくお導き下さい」と締めくくり、それから「いざ!」となることである。これを行うと、仔細を報告する段階で喧嘩をする意欲が消失してしまうことが多々ある。これは心理学的には逆説療法と呼べるものである。

3-2 夫の浮気(事例2) 伝統的な方法としては、男女関係に不満を残してしまったまま他界した御先祖が、その不満(原語ではクヨウ(苦揺)と呼ばれる)を解消するために、子孫の体を借りて行っているものだと解釈することが行われる。したがって本人を責めても何の効果もなく、先祖供養が大切であるとされる。急場しのぎのときは、「夫何某は…に住む何某のところへ行きますが、何某家の主として、子供達何某の父として、正しく行動させて頂きますよう…」と報告してから送り出す、ということが行われる。これだけで効果を発揮する例もあるが、次のような家族精神力動を考慮した方法が日頃から行われると、さらに効果が高くなる。

3-3 家族精神力動と祖先崇拝の基本儀礼 子育てを「子の心に生じた不快感を取り除き快感に変える一連の作業」と定義し、これを「子育ての本質」と呼ぶ。我々の文化では子育ての本質は「母」によって実践される。すると、半年も経過する頃になると、不快感・母・快感、の三要素間に条件反射が形成され(条件母性反射と定義する)、「人見知り」が発現する。以後、子は、性別の区別無く、母に甘えるようになる。この傾向は成人後も同じで、子が母に甘えるのと同様、夫は妻に甘える。妻はといえば、条件母性反射は彼女の母親(女性)に対して成立しているので、夫に対しては、夫が妻に甘えるほどには、甘えることができない。つまり、母・妻・主婦の立場にある女性は、自身は甘える場がないの家族成員は甘えてくるということがあるため、家族の精神的ストレスが集中してしまうという特徴がある。家族精神力動にはこの様な不平等性が存在する(又吉(2))。
 このような不平等性からくるストレスを解消するための方法のひとつとして、「祖先への祈り」が伝統文化として存在する(3)。つまり、自分の実家の祖先に対しては、自分が甘えることとし、夫の実家の祖先に対しては、夫や子供たちの良い点や努力している点などを報告し、家族成員を甘えさせることとするのである。甘えたいと言う心意を持つものを適切に甘えさせると、信頼と忠誠の念が生じる。相互が信頼と忠誠の関係になれば、甘えることもまた可能となる。
 家庭内の人間関係においては、西欧思想の普及により、成員達がそれぞれ自立する方向へ促すことが普通となっているように感じられる。しかし「甘える」「甘えさせる」ということを肯定的に捉えるならば、相互の信頼・忠誠の念で結ばれた特別な状態を構成可能である。これは家族や人の「和」を重んじる日本文化である。

4.おわりに
当日は、この小スペースでは表現できない西洋諸理論と日本文化の関係と他の事例への応用も述べてみたい。

参考文献
(1) 又吉正治・荻野恒一:沖縄のシャマニズム(祖先崇拝)にみる家族療法の機能、理想、627号
(2) 又吉正治:臨床心理から見た男と女、九州臨床心理学会、九州臨床心理学会福岡大会、平成13年1月。
(3)又吉正治:金銭浪費癖の激しい青年の心理治療、九州臨床心理学会沖縄大会、平成8年1月。   

又吉正治:琉球新報カルチャーセンター特別講座「今、家庭と子供が危ない!」(第一部・人間関係と家庭経営の心理学入門、第二部・家族療法としての祖先崇拝の基本儀礼)

実際、器械などの故障でも、その性質を知らない人は「たたく」ことで直らなければ廃棄・修理に出す。これと似たようなことが人間関係にも生じていると言える。
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HN:
Dr.MataYan
年齢:
70
性別:
男性
誕生日:
1947/08/09
職業:
日本文化の心理学と家族療法研究会主宰
自己紹介:
◎工学士(静岡大学、電気工学、昭和45年)
◎医学博士(東京大学、医用生体工学、昭和55年)
◎荻野恒一慶応大学客員教授に文化精神医学・精神分析を師事・共著:沖縄のシャーマニズム(祖先崇拝)に見る家族療法の機能、理想、628号。
◎臨床心理士(平成2年登録、なお、この肩書きを維持することへの疑問を感じたので、平成7年には再登録を停止した)

〒904-8799
沖縄郵便局私書箱第205号
日本文化の心理学と家族療法研究会
電話 090-1940-0525
電子メール postmasterに@を続けてその後にmatayan.comと書く

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