忍者ブログ

= まぶい分析学 Mabui Analysis =

「まぶい」とは琉球語で「たましい」という意味です。琉球語は古代大和語と深い関連があることが分っています。したがって、琉球語で語られる精神世界は、古代大和から連綿と続く日本人の精神世界を表し、いわば、日本人の心の源流であると考えられます。このような日本文化と西洋諸心理学を融合、体系化することが出来、これを「まぶい分析学」と呼んでいます。まぶい分析学の命名は、姫路獨協大・實川幹朗教授によります。記して感謝。 まぶい分析学と精神分析や分析心理などの他の心理学との違いは、分析と同時に治療法が提示されること、家族療法として主婦が修得すると家族成員に対しても効果を発揮することです。なお、http://matayan.ti-da.net/ にミラーサイトを準備しています。  
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


2005年1月8日:初出し
2008年(平成20年)5月15日(木):旧ブログより移動
------------------------------------------------------------------
アルコール依存症(以後、アル中と略記する)は、霊的な病気・・・定義で も述べましたように、AA(Alcoholics Anonymous)という米国の自助グループが早くから「霊的な病気」として位置づけたようです。これは、まぶい分析学での定義に従えば、飲みたくない のに飲んでしまわざるを得ないという病気です。つまり、意思と反対の行動が繰り返し現れる・・・ということなんですね。

アル中の人たちの気持ちを聞いてみますと、僕が経験した範囲では、一様に、飲みたくはないのに飲まないと居ても立ってもおれず、まるで飲まされているよう な気分だ…ということで共通したものがあります。このような心理状態を良く表現したものとしては、古代大和文化(現代沖縄文化)としての祖先祭祀システ ム、祖先崇拝におけるアル中の捉え方があります。

祖先崇拝では、祖先に酒を十分に気持ちよく飲みたかったのだけれども、それが叶わずに他界せざるを得ない状況となってしまい、現在でもその気持ちは霊とし て存在していると考えます。あの世には酒も無く、またそれを飲む自分の肉体も無い(本当に沿うかは確認していません(笑)。しかし、死後の世界とか色々な ファンタジックなことを考えるのもいいですが、『無』ということを考えるのは『科学的態度』としては、今のところ一番ではないでしょうか)。そこで、その 「霊」が現世の子孫の体を借りて飲んでいるのであるとするのです。

この考え方が正しいのであるのならば、それは、世代から世代へと繰り返して発生する現象であるです。そこで、家系を調べてみますと、実際、アル中が先祖代 々から続いていることがわかる場合が多いのです。これはボーエン流家族療法では多世代伝承、ソンディ流衝動病理学では遺伝趨勢と呼ばれるものです。同様に 日本文化に基づくまぶい分析学ではチヂウリ(継降)と呼んでいるものです。

アル中の人の心理としては、矛盾してはいるのですが、酒は嫌い、ということがあります。嫌いだけど飲まずにはおれないのです。しかし、飲んでいるときは 「酒は友」とも感じるようです。酒を飲まない自分は実感としては分りません。このような状態は、いったい、どうすればよいのでしょう?

「霊的な病気」であるのなら、その憑いている「霊」を何とかすべきでありましょう。この霊が飲ませているのであるわけですから。このあたりを解決する考え方が日本文化には存在します。それは次のようです。

未だにお酒を飲み足りずに成仏できない御先祖様がいらっしゃるのですから、今からでもこの御先祖様にお酒をお供えし、気持ちだけでも十二分に飲んでいただ くことが必要であるということになります。そして、このお供えしたお酒を、憑いている子孫、現在アル中となっている人に飲ませるのです。これが、いわゆる 先祖供養ということになるのですが、適切に行われれば、憑いている先祖の霊は満足して成仏し、後は、本人の気持ちで飲むなら飲む、飲まないなら飲まない、 ということになるのであるとなるわけです。

この方法は、かって筆者と荻野恒一(慶應義塾大学客員教授・当時)との共同研究でその効果を見たものです(理想、627号、文化人類学特集・医療人類学小特集)。
PR

名 前
メール
URL
題 名
文字色 Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
手 紙
合言葉
 
TBURL
記事URL

メーリングリスト

まぶい分析学の研究・支援・雑談などを目的としています。関心ある方はお気軽にご参加下さい。誰でも自由に参加、退会ができます。参加費は無料です。

現在の訪問者

カウンター

プロフィール

HN:
Dr.MataYan
年齢:
76
性別:
男性
誕生日:
1947/08/09
職業:
日本文化の心理学と家族療法研究会主宰
自己紹介:
◎工学士(静岡大学、電気工学、昭和45年)
◎医学博士(東京大学、医用生体工学、昭和55年)
◎荻野恒一慶応大学客員教授に文化精神医学・精神分析を師事・共著:沖縄のシャーマニズム(祖先崇拝)に見る家族療法の機能、理想、628号。
◎臨床心理士(平成2年登録、なお、この肩書きを維持することへの疑問を感じたので、平成7年には再登録を停止した)

〒904-8799
沖縄郵便局私書箱第205号
日本文化の心理学と家族療法研究会
電話 090-1940-0525
電子メール postmasterに@を続けてその後にmatayan.comと書く

最新コメント

[07/04 K]
[06/15 negaihakanau]
[03/19 じゅんさん]
[03/18 WBC]
[03/14 小泉]
[12/28 ビバ!日本!]
[10/26 ひよこぶた]
[10/05 ひよこぶた]
[10/05 ひよこぶた]
[09/25 ひよこぶた]
[09/19 damedakorea]
[06/27 次郎]
[06/27 次郎]
[06/15 さとー]
[05/23 damedakorea]
[05/23 次郎(誤字担当)]
[05/15 次郎]
[05/08  みーたん]
[05/02 ビバ!日本!]
[05/02 ビバ!日本!]

最新トラックバック

Pingoo配信状況

currentBlogList
Pingoo!

ブログ内検索

BBS7.com

BBS7.COM
MENURNDNEXT

忍者ポイント広告

ブログ解析

バーコード

アクセス解析

カレンダー

03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

フリーエリア

忍者ブログ [PR]
Copyright(c) Dr.MataYan. All rights reserved.
Powered by 忍者blog
Template Designed by miu_uim