MUのつれづれ草と言うサイトがあり、そこに、「
トートーメー・地の果てまで追いかけてくる…」というエッセイがある。申し訳ないが、ここにも間違った見解が提示されているので、指摘しておこう。
(引用開始)
「トートーメー・私論2」でコメントに書いて置いたが、なんの事か、知らない方の為に少々の説明をば。
『トートーメー』=トートーメーとは方言で日本語で言うと『位牌』を意味する。
トートーメーは、位牌を収容する木枠のことである。
ところが、沖縄においては相続の際その家の長男が家土地・アパートなどがあれば、これもまとめて受け継ぐというしきたり。単に位牌にとどまらず、司祭や行事も行なわれなければならない。(もちろん、長男嫁の役割なんである。自分がやればいいのにと思う・・・)
そんなしきたりは無い!(笑)。それは欲の皮の突っ張った人が財産をせしめるために
言うとるのだろう。調査した結果からは、平均的な庶民(猫の額ほどの庭のついた
屋敷くらいであれば、分割が不能なので、長男が継ぐという形になっている。これは、小さな田畑を
分けてしまうともう使えないし、そんなことをする人を「たわけ者」という。長男は私物化するのではなく、
同胞に何かあったときのためのものと言う形で継承することが必要なのだ。
お金がふんだんにあるところでは、みなに分け与えているのが普通だ。ただ、祭祀料として、
トートーメーを継ぐ人には余分に渡してはいる。
とまあ、本題に戻ろう。
少しばかりの昔、沖縄の日本へ復帰騒ぎ(今から20年ほど前)にまぎれて、ある長男がこっそりと家出して行方をくらました。
風の便りで、ハワイの小さな町に住んでおり、そこで結婚して2人の子を設けてる事がわかった。
そのまま時が流れ・・・彼の父親が亡くなった。
ところが、彼はこのまま帰国したら、こっちに戻れなくなるかもしれない(あるいは家族もろとも移住させられる?)の恐怖心から、弔電と弔金を送っただけで実家に帰ろうとしなかった。
これはその人の家族関係から来るものであって、トートーメー問題とは関係ない。
収まらないのは実家の方。
実家には彼が一人息子で、姉妹が1名いるが、既に嫁いでいる。
残された老母がついに、行動を起こした。
何と、家土地を処分して実娘にはそれなりの資金を渡し、トートーメーや道具を担いで単身で遠く長男一家の元へ飛んで行ってしまった。
長男一家も驚いたものの、言葉を知らぬのに異国に単身で長男を頼ってはるばる来た老母である。
彼も観念したようだ。
似たような話が日本中あるいは世界中のどこでも、そんなケースが相次いでる事だろう。
それは特殊ケースであって、問題の本質を語るものではない。
もちろん、中には長男以外の人がトートーメーを受け継いだ家もある。
特に近ごろは沖縄でも少子化が急速に進んでる事もあり、女性でも継いだケースも少しずつ増えてきている。
そういえば、天皇家でも40年間皇子に恵まれず、『女性天皇を認める法を作ろう』と動きが出て来ているが、沖縄ではもうとっくに徐々に変化されつつあるようだ。
女でも継げるのだ。皇位だって女もついでいる。
少し勉強されると良いと思う。
(かつては『日本では男系継承は天皇家と沖縄』揶揄されてきた程だったが。)
(引用終了)
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