人間の精神的発達をまぶい分析学におけるの基本的欲求および代理欲求(注)に基づいて考えてみよ う。五つの欲求のうち「安全欲求」は、特定の他者(条件母性反射が成立している相手)の存在を必要とする。この欲求が未充足であれば、自分が安心感を覚え ず不安を覚えてしまうのは、相手が存在しないからであって、自分のせいではない。つまり、この欲求が未充足であると、何でも他者のせいにしてしまうのだ。
安全欲求が充足されない状況では越行または退行して代理欲求が現れる。良くあるのが越行して承認欲求の形で代理欲求が現れることだ。この状態では、がむしゃらに人に認められることを欲し、認められないときはそれを常に人のせいにし、人を非難するということを行うのだ。
昨今、こういった性格の人がとても多くなったような気がしてならない。こういった人たちが増えると、どうしても闘争が多くなる。厄介なものである。
こういった人達は安心感を得たいという欲求が強く、えてして、宗教を求めがちである。そして、宗教自身も、中mは大切にするがそれ以外は否定するという、二値思考人の特性を持っているのがほとんどといってよいだろう。
(注)まぶい分析学における基本的欲求と代理欲求
基本的欲求という概念はマズロー心理学における基本概念であるが、まぶい分析学では、これを拡張して用いている。それは、(1)人は基本的欲求に基づいて甘えの行動を起こす、(2)ある基本的欲求オヨ簿それに基づく甘えの欲求が充足されない状況におかれると、他の形の(見かけの)基本的欲求及びそれに基づく甘えの欲求を充足させようとするが、この(見かけの)基本的欲求を代理欲求と定義する、(3)代理欲求は他者からの学習によって生じ、それはマズローが提唱した、下位欲求の充足が次位欲求の発現を見る、というものではなく、どの他の基本的欲求へも移行可能である、ということだ。X
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