世のお母様方の子供の悩みは、勉強しない! ゲームばかりしている!というのが結構多いようだ。そんな子供達を、親たちは「全くやる気がなくて困る」などと評し、相談を受けることが少なくない。
このような親の悩みは、結構、身勝手なものであることに具体的に(笑)お気づきであろうか。上の例では、「勉強しない」ということについては、確かに勉強をする「やる気」は無いと言って良いだろう。しかし「ゲームばかりしている」ということについては、これは、ゲームについては、子供は「やる気満々」なのである。
まあ、親の都合によって、子供は「やる気」が無いとみなされてしまっているのである(笑)。
「やる気」というのは、いうなれば、
基本的欲求を充足しようとする際に現れる意欲、とでも仮に定義できるものである。その基本的欲求とは、
(1)生理的欲求
(2)安全欲求
(3)所属・愛情欲求
(4)承認欲求
(5)自己実現欲求
(6)自己超越欲求(これは臨床的には一応無視する)
である。面白いのは、「勉強する」という行動は、承認欲求もしくは自己実現欲求であると考えられるのであるが、いい年になっても勉強ばかりしているようでは、これまた問題であるわけだ。
逆に言えば、大人でもゲームをすることが仕事になっておれば(これはかなりきついようだが(^^;)、これは全く問題ないであろう。子供がゲームにはまってしまうことが問題であることになる。いずれにしても、子供の「やる気」というのは、親の都合で決まる要素が大きいようである。
それはともかく、現実的には、子供が現実的な夢や目標を持って物事に取り組んでくれれば、親は安心できるというものである。しかし、この構図は、親が子供に甘えているようなものであることに気付く人はどのくらいいるだろうか(笑)。
子供の「やる気」・・・大人に取って都合がよいという意味でのやる気・・・を引き出すには、
(1)基本的欲求を下位から充足させることに尽力する
(2)子供に越行状態を作る
ということが基本である。(2)は、良い点を認めうる甘えさせ上手な大人、かつ社会的にそれなりに評価されているような仕事をしている人が望ましいが、と雑談を交わす機会を作ることである。人は、模倣本能は持っていると考えられるから、心に響くものがあるときには、いちおうの目標が簡単にできたりするものである
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