2008年(平成20年)3月22日(土) 追加パラグラフがあります。
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當銘由亮さんという
沖縄の芸人さんのホームページがありました。この記事の中に、”走れトートーメー”という演劇の説明があり、その中にトートーメーの説明があります。
(引用ここから)
トートーメー
沖縄の人なら知らない人はいないと思いますがトートーメーとは位牌のことです。ハード的には、ヤマトの位牌とはちょっと違いかなりハデです。そして大事な のはソフト的な面でトートーメーは家であり家督であるわけで、そこには子孫繁栄・家内安全はもちろん財産の相続などといった現実的な問題も絡んでくるわけ です。
沖縄の人は先祖代々、このトートーメーを大事にしてきました。沖縄戦の時でも自分のトートーメーをフトコロに抱えて砲弾の下を逃げまどったというような話も聞きます。
これが無くなったとなると大騒ぎなワケで、この芝居のようにユタを呼んだりするわけです。ユタというのもここで説明しておきますと、お祈りやお祓いなどをする人のことで、あの世の人との関係の深い人です。
(引用ここまで)
トートーメーは位牌のことです、とありますが、そうではありません。僕自身、これは間違っていました。琉球文化の精神分析シリーズでは、そのように表現し ました。位牌という感じにトートーメーというルビをふりました。こんな間違いがかなり横行しているのが沖縄の祖先祭祀です(^^;
考えて見ますと、いや考えずに実践しても分るのですが(笑)、仏具屋に言って『トートーメーを下さい』といいますと、出てくるのは『位牌』ではありませ ん。位牌を収容する木枠が出てくるのです。その中に位牌は収容されているわけで、位牌そのものは、祖先の名前を書き留める小さな木片です。
実は、日本語と沖縄語の対応を見ますと、
位牌・・・イーヘー
仏壇・・・ブチダン
??・・・トートーメー
であるわけで、トートーメーに対応する日本語が無いのです。
ついでに指摘しておきますと、ユタのことを”お祈りやお払いをする人”と説明されていますが、これも違います。ユタとは、普通は、ハンジをとる人、です。 お祈りをする人はウガマーといわれるのが普通です。また、お払いをする人は、琉球文化にはありません。『御払い』という概念が祖先祭祀には無いのです。悪 いものをお払いをするのではなく、浄化していくのが琉球文化の基本です。
以下は追加の文章です。
トートーメーについては、「屏位」というものの説明が、それそのものなのですが、
屏位の実物を見ると、沖縄のトートーメーとは全く異なるものであることが分ります。一時は、というか、この実物の写真を見るまでは、トートーメー=屏位、と思い込んでしまいました(お恥ずかしい(^^;)。それは明らかに異なります。屏位はあくまでも仏教(日本の葬式仏教)式のようで、沖縄のはそうでなく祖先祭祀システム(祖先崇拝)の中のものです。
ですから、トートーメーに関しては、従来からの僕の主張である
複数の位牌を収容する木枠のこと
でよろしいのではないかと考えます。
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