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= まぶい分析学 Mabui Analysis =

「まぶい」とは琉球語で「たましい」という意味です。琉球語は古代大和語と深い関連があることが分っています。したがって、琉球語で語られる精神世界は、古代大和から連綿と続く日本人の精神世界を表し、いわば、日本人の心の源流であると考えられます。このような日本文化と西洋諸心理学を融合、体系化することが出来、これを「まぶい分析学」と呼んでいます。まぶい分析学の命名は、姫路獨協大・實川幹朗教授によります。記して感謝。 まぶい分析学と精神分析や分析心理などの他の心理学との違いは、分析と同時に治療法が提示されること、家族療法として主婦が修得すると家族成員に対しても効果を発揮することです。なお、http://matayan.ti-da.net/ にミラーサイトを準備しています。  
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2008年(平成20年)1月20日(日) 旧ブログより加筆・訂正後転載
2008年(平成20年)3月24日(月):同上
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沖縄の精神文化(古代大和文化)を研究している私にとって、ちょっと気になることがある。

先だって七月十四日の本紙(琉球新報)論壇上にて、アトピー性皮膚炎と「甘え」の心理について述べた。その中で、私は「祖先崇拝」という語を用いたのだ が、「先祖崇拝」と直されていた。しかし、これは本紙編集だけの問題ではなく、本土での学会発表のプログラムや談話の際にも全く同様のことが発生する。必 ずといって良いほど「祖先崇拝」が「先祖崇拝」に直されてしまうのだ(笑)。


沖縄の文化は「祖先崇拝」である。ところが本土では「先祖崇拝」のようだ。この違いは何だろうか? 国語辞典をみてみよう。

新辞林や大辞林、福武国語辞典などでは「先祖」と「祖先」の区別はなく同義である。しかし「祖先崇拝」という言葉はあるが「先祖崇拝」というものはないこ とに注意したい。しかし(^^;、辞書にはない「先祖崇拝」と言うことばを本土の人は好んで?自然に?使うのか、全く不思議であると同時に、これは何かも物語っているのではないかと、考え込んでしまうところである。ところが、ところが広辞苑では、「先祖」と「祖先」には明らかなニュアンスの違いがある。前者は特定の者を指し単数、後者は不特定多数の者を指し複 数なのである。

先祖を単数、祖先を複数と考えることには重大な意味がある。先祖崇拝であれば、(功績などのあった)特定の人にあやかる意味で、崇拝することになる。祖先 崇拝では不特定多数の先祖を崇拝することになる。その構造が全く異なることになるのだ。形式的には一神教と多神教の違いがあることになる。

先祖崇拝すなわち特定の人を崇拝の対象にするのは、キリスト教や仏教などを初めとした、いわゆる近代宗教(一神教)がその典型だ。これに対して祖先崇拝はアニミズム・多神教とみなしても良いものである。

前者では、人智を越えた超越絶対者(神)を崇拝しその教えを学ぶ。後者では、玉石混淆の不特定多数(原理的には全ての先祖)が崇拝の対象になるわけだ。後者では初めから崇拝する心意になれるものではない。

一般に子は親に反発したりするもので、極端な場合、憎悪の感情を持ったりする。ここで親の生育歴を調べる(ウサトゥイ(御悟)と呼ばれる)と「無理からぬ こと」として理解され感情が少し和らぐとともに、それは親の親へ移行する。今度は親の親をウサトゥイし、ということを先祖代々に渡って遡って続けていく。 この間、憎悪の感情が次第に緩和されていき、理解、同情、思いやり、と種々変化しながら最終的に「崇拝」になることがある。これは血筋正し(シジタダシ) と呼ばれるものだ。

沖縄文化としての祖先崇拝は、感情を浄化するための精神修養法である。国語辞典に先祖崇拝という語が見当たらないが、本土も基本的には同じなのかも知れな い。英語では、Ancestor Worship が先祖崇拝、Ancestors Worship が祖先崇拝となるでなろう、厳密には。もし皆様の身近に、Ancestors Worship のように言うアメリカ人がいるとき、それは私の教え子である。
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Dr.MataYan
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1947/08/09
職業:
日本文化の心理学と家族療法研究会主宰
自己紹介:
◎工学士(静岡大学、電気工学、昭和45年)
◎医学博士(東京大学、医用生体工学、昭和55年)
◎荻野恒一慶応大学客員教授に文化精神医学・精神分析を師事・共著:沖縄のシャーマニズム(祖先崇拝)に見る家族療法の機能、理想、628号。
◎臨床心理士(平成2年登録、なお、この肩書きを維持することへの疑問を感じたので、平成7年には再登録を停止した)

〒904-8799
沖縄郵便局私書箱第205号
日本文化の心理学と家族療法研究会
電話 090-1940-0525
電子メール postmasterに@を続けてその後にmatayan.comと書く

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