イザナギ、イザナミがアメノミハシラ(天の御柱)の周りを回って子産み(国産み)を行うとき、男が左側に廻り、女が左側に廻り、そして女から声をかけるという状況では、子産みは失敗した。逆に、男が右側から、女が左側から廻り、男から声をかけると成功した、ということが記されている。
これは、男女平等を理想とするパラダイムの範疇では解釈不可能と思われるものの一例である。しかし、女性優位・男系原理の日本文化のパラダイムにおいては、人間関係における基本的で重要なことを象徴的に表現していると言えるものだ。
古代大和の精神文化をいまだに残すといわれている現代沖縄の精神文化、祖先祭祀システム、祖先崇拝では、例えば、祖先の墓を拝むとき、墓の右側(我々から見た)を左(ヒジャイバラ:原語)と称し、墓の地を守護する神が鎮座しているものと考え、そこに墓を訪れた目的などを報告するということが行われている。その後に墓の正面を拝むのだ。
我々から見た右をなぜ左と称するかは、祖先祭祀システム、祖先崇拝が『相手の立場に立って考える』ということを基本とするためだ。
そして、古来、官位においては、例えば、左大臣と右大臣では、左大臣が上位にあるように、『左』なるものをより神聖なる位置におくことが行われている。この『左』に『女性』が当てられるのが、女性優位・男系原理の基本である。
そのことは上記の古事記の例においても象徴的に現れている。女が左側になるとうまく行くわけである。
また、男女を並べるものとして、ひな祭りの雛、特にお内裏様の例を見てみよう。(例:
ひな人形のサイト、写真の引用ができないようになっている。引用して欲しくないのは、引用して欲しくないと書くだけでなく、このようにして欲しいものだ)。
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