琉球新報社発行の『沖縄コンパクト事典』というのがある。なかなか便利で沖縄のことを知ることができるが、
トートーメーについては間違った記述をしていた。
沖縄コンパクト事典
位牌継承 (いはいけいしょう) 2003年3月1日
沖縄では祖先崇拝の一つの現れとして、先祖の位牌や香炉を丁重に祀る慣行が近世以降普及し、広く定着している。
位牌(トートーメー)は、その子孫によって代々継承されることになるが、沖縄本島中南部を中心とした門中制度の強固に発達した地域では、男系血縁による位牌の継承に強いこだわりを示し、
娘や非血縁の養子による継承はタブーとされる。
女性の位牌継承を禁ずるこうした慣習は、
女性差別の一つとして問題化されることがある。
『最新版 沖縄コンパクト事典』2003年3月・琉球新報社発行、2,415円(税込)
上記で赤字にした分が問題の点である。
(1)位牌(トートーメー):位牌はイーヘーである。トートーメーは、屏位とも考えられるが、実物では異なるようだ。トートーメーは位牌を収容する木枠、がもっとも適切である。
(2)娘や非血縁の養子による継承はタブー:娘が継ぐ場合には、それなりのことを分ってから継ぐとよいわけで、娘が継ぐときには、他に男子がいないときであり、『預かり』として継ぎ、祭祀場所を適切に選定する必要があるとされているものである。
(3)女性の位牌継承を禁ずるこうした慣習:女性の継承をもともと禁じていない。そもそも女性が祭祀の直接の担当者であるのに・・・。女が親の位牌を祭ったトートーメーを継ぐときには、預かりとして継ぎ、クチャか台所に祭るとよいとされている。
(4)女性差別のひとつとして問題化:慣習を正しく理解せず、間違って解釈しておきながら女性差別として問題化させるほうがおかしいのだ。笑止千万である。
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