モンスターペアレント、理不尽なことを要求して学校などの職員を困り果てさせている人たちが増加しているようです。ときおり、僕の臨床相談にも、それを強く想起させる人が現れたりします。この世に怪獣が増え過ぎると、住みにくくなってしまいます(^^;
いろんな事例などを読み漁っていく間に、モンスターペアレントと呼ばれる人達の背景などを読み取ることができたように思いますので、これについて考えを述べてみることに致しましょう。
第一に、モンスターペアレントは、”甘えのガス抜き”が必要な人たちである、ということが出来るでしょう。"甘えのガス抜き"とは、次のようなことです。
家族というものの構造は、「甘え」を介してつながっているという特徴があります。家族というのは、他人の誰よりも甘えやすいということがあります。この家 族の甘えが一人に集中してしまい、その人は、皆の要求に応えようとしてアップアップしてしまいます。このようなときの心境というのは、実際にそのような状 況に一度立ってみると良くわかるのですが、誠にイライラするもので、八つ当たりでも何でもしたくなったりします。人に自分を世話するようなことを要求した くなる気持ちになります。でも、落ち着けば、「はっ」と我に返るのです。この蓄積したストレスのガス抜きが必要です。
第二に、モンスターペアレントは、過保護な生育歴を持っているという特徴があります。「過保護」というのは何かというと、「相手の気持ちを先読みして、相手から要求がなくとも応えること」と定義できるものです。
過保護な親に育てられますと、子供はいつも、自分からは何も言わなくとも世話してもらえますから、自分の気持ちを言葉に表して相手に伝える、ということ、 コミュニケーションの基本ですが、の能力が欠如するようになります。これは、普通は「指示待ち症候群」などと呼ばれるものの原因となります。自分が子供と して生活できる時代には、このように過保護の渦中にありますから、特に不満は自覚できないことが多いといってよいでしょう。
しかし、過保護にしてもらえる状況というのは、次第に無くなっていきます。
このような状態にある中で、家族を作るようになりますと、第一の原因も機能するようになります。精神的にアップアップしているので、理不尽も何も、とにかく自分の状態を何とかしないといられない状況になります。理屈ではなく、感情の問題であるのです。
第三、第四の原因も考えられますが、上記二つが基本となるようです。ガス抜きが必要な状態になることが基本的な原因であり、対処が必要なところでしょう。
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